PMIリーダーの重要性
組織は人が集まって成り立つものです
そしてそこに集まる従業員は奴隷ではありません。
彼ら一人一人に自分の人生があり、大切な家族を守るという使命を持った
生身の人間です。
ですから、その人達を束ね、心を一つにし、叡智を結集させて
1人では出来ない成果を作り出していくのがPMIリーダーです。
M&Aという2つの文化、思想が違った組織を1つに束ねていくためには
この人の心を熟知して、なおかつ、時には冷徹に切り捨てることが出来る
使命感に満ちたリーダーがどうしても必要です。
このリーダーがどこにいるのか。どこから来るのか。
まずはPMIではこれを見極めます。
PMIリーダーに求められる覚悟
多くの場合、買い手企業から派遣される新社長がこれにあたります。
場合によっては、買われる企業の社長が当面その任に当たることもあるでしょう。
あるいは、買われる企業の従業員の中から抜擢されることもあるかもしれません。
いずれにしても、そのリーダーになった人に覚悟があるかが問われます。
買手企業から来た、新社長が『どうせ一時の腰掛と思うのか』
買われる旧社長が『しばらくのツナギで引き受けるのか』
だとすれば、それは直接、従業員に伝わり、
『彼らのモチベーションを削ぎ』やらされ仕事になるか、
もしくは退職へとつながってしまいます。
この任に着くリーダーには、『何が何でもやり遂げる』
2つの会社を1つにして、何倍もの成果を出して、
そこにいる社員を幸せにしてみせる。
そういった覚悟が必要になります。
PMIの任務
この任に選任されるからには、今までにそれなりの
実績を出したか、経験が豊富な人の可能性か高いはずです。
だとすれば、そのリーダーの覚悟を問い、
腹を据えてもらいます。
これから遭遇するであろう、数々の難問を
なんとしても克服して見せる。
しかし、その先には、この企業の誰も見た事が無い
素晴らしい未来が待っている。
ついてきてくれる従業員の人達に
この体験をさせてみる。
そう覚悟を決め腹落ちしてもらいます。
これもまた、PMI支援の大切な役割です。
リーダーが成長する
この日本のビジネス社会には沢山の企業があります。
様々な業種があり、山ほどの役割が存在します。
しかし、一生のうちで、M&Aを自ら経験し、
そのリーダーとしての責務を果たす経験をする人が
果たして何人いるでしょうか。
そんな貴重な経験をさせてもらう事を
喜びに感じて最後まで全うしてもらいます。
その過程の中で、M&Aという未知の世界との
切磋琢磨の中で、このリーダーは悪戦苦闘することになります。
しかし、この困難はこのリーダーを大きく育てる事にもなります。
今までは、月次の売上ばかりに注視していればよかったものが、
人の心の葛藤を繰り返し、その中でもベストな事業戦略の近道を
絶えず考え、どうやったらその為の仕組みを作ることが出来るのかを
自問自答する中で、今までにはなかった、力が宿り始めます。
そういう意味では、M&Aの最大の成果は、実は
この軸が出来上がった経営者を作り出すことと言っても
過言ではないのかもしれません。
この新経営者が新しい会社をよみがえらせ、
そこで働く従業員を幸せにし、社会に貢献する仕事を
することになります。
まとめ
PMIのスタートでは、このプロジェクトを
進めていくリーダーを決めます。
そのほとんどが、新社長がその任にあたることになるでしょう。
その時、必要なものは、仕組みづくりや、戦略立案よりも
人の心をまとめていくことが何より大切だという事を
共有してもらう事です。