企業活動において、出来れば短時間で大きな成果を出したいものです。
しかし、残念ながらそんなウルトラCも魔法の杖も
現実には存在しません。
大きな改革から入る間違い
以前の記事で、戦略立案に最適な
SWOT分析の事を書かせてもらいました。
このSWOT分析は、自社の持つ強みと弱み
そして、外部環境が自社に及ぼす
機会(チャンス)と脅威(ピンチ)を
見つけ出してきて、自社の戦略を導き出すというものですが、
ここで我々は間違いを犯しかねません。
それは、大きな成果を求めるあまり、
大上段に構えすぎて、いきなり大きな改革テーマを
設定してしまうものです。
確かにその改革テーマが遂行されれば、
大きな成果が見込まれるかもしれませんが、
振り返ってみてください。
日々の仕事ぶりを、時間の使い方を。
資金力、人材力のある大企業ならいざ知らず、
社長自らが、先頭に立ち、日々の業務に奮闘している
我々中小企業に、それだけの余裕があるでしょうか?
どんなに素晴らしい改革テーマを掲げても、
日々の業務に忙殺され、気づいたら、
いつの間にか時間が過ぎ去っていた、
テーマが手つかずだったという事になってしまいます。
小さな簡単なカイゼンから積み上げる
まずは、大きな改革テーマを、小さく分解してみます。
例えば、ある工場で納期遅れが多発していたとします。
ここで、いきなり『納期遅れ0』をテーマに掲げても、
果たしてどこから手を付けていいかよくわかりません。
そこで、この『納期遅れ課題』をブレークダウンして、
①品番数の削減
②部品の在庫の見える化
③生産状況の見える化
④生産量の5%アップ
に分けたとします。
では、今度は、③の生産状況の見える化に絞った時、
1)生産状況一覧表を電子掲示板に上げる
a)Aさんが月末までに電子掲示板を作る
b)社内に1日に1度、電子掲示板を確認するよう指示を出す
といったように細かく落とし込んでいきます。
このaやbの事をカイゼンと呼びます。
じつは、この1つ1つはそれほど、難しくありません。
いきなり、納期遅れは0にならなくても、
電子掲示板は確実に出来上がり、
社内で生産の状況が共有できる体制までは完成しました。
このようにして、小さい、簡単な、
楽に出来る行動を積み上げていく。
これをカイゼン活動と呼びます。
カイゼンは数と継続が大事
カイゼンで大切なのは、質よりも量です。
一発逆転するような、すばらしいポイントを
つくようなカイゼン案より、
すぐできる、簡単に出来る、誰でも思いつく案
から始めて、数を重ねていく方が、
成果は出やすいものです。
そして、それを継続していきます。
一つの改善を行えば、必ず次の
カイゼンすべきテーマが見えてきます。
また、それをつぶし込んでいきます。
カイゼン活動の進め方
では、どうやってこのカイゼン活動を進めていくかですが、
まずは、会社全体であれ、部門であれ、
ビジネスフローの全体像を描いてみます。
我が社のビジネスはどんな流れになっているのかの
全体像をイメージしてみます。
そしてそこで生じている、無理や無だがないかを
みんなで協議します。自由に発言し、意見を交換し、
ファシリテーターはカイゼンのテーマをある程度まで、
絞り込みます。
ミーティング終了後に、各個人による、カイゼン提案書を
作り上げていきます。
ランダムに、思いつくままのカイゼン案を出していきます。
それを、部門長、あるいは社長に提出します。
カイゼンの優先順位をつける
社長もしくは部門長は提出されたカイゼン提案書を
グループ別に分け、優先順位を検討します。
この時の、判断基準は、
①緊急でかつ重要なもの
②見込まれる成果が大きいもの
③すぐに出来るもの
など、いくつかの基準がありますが、
現在の会社に一番あったものを選ぶ必要があります。
会社の規模、資金力、収益性、利益体質によって判断します。
継続する仕組みを作り上げる
カイゼン活動で大事な事は、続ける事です。
これも、ついつい日々の業務で忘れ去られることが
よく起こります。
その為に、カイゼンミーティングを定期的にしたり、
カイゼン提案書の提出枚数をルール化したり、
個人の評価の対象にするなどの、
社内体制の整備も同時に行っていく必要があります。
まとめ
大きな成果を求めるのであれば、
いきなり大上段な改革を唱えるより、
小さな、今すぐできる、楽なカイゼンを
積み上げる事です。
これには、いくつかの方法とツールが必要です。
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